18.5.1 133日目 東チベット ガンゼ→アチュンガルゴンパ
朝6時起床。朝食を食べて荷造りして宿を出る。
朝8時、宿の目の前にある白タク乗り場でみんなと待ち合わせ。
昨日までバスで一緒だったご夫妻と、一昨日宿が一緒で昨日ばったり会ったカップルはこの時初対面。
6人で昨日交渉した運転手の所へ向かう。
すると運転手は交渉した人ではないらしい。もっと若い男性。
車も大きなバンと思っていたら、少し小さめのやつ...。
全員で、いやこれに6人と荷物は載らないだろと言い、大きなバンを指さすが車は変わらないらしい...。
しかもキャリーバッグを車の屋根に乗せて細い紐で縛りはじめた...。
回りの他の運転手達も爆笑してる...。
絶対運転手達も、それは落ちるだろ!!!と笑っているが若い運転手は屋根に縛ろうとしてやめない....。
6人で全力で止めて、足下とかに荷物を置いて、ぎゅうぎゅうに乗るから、せめて荷物は車内に入れてくれとアピールし、無事荷物も人もなんとか収まって出発。
車で街を出て15分も走ったら雪山だった。吹雪いていた。
どんどん山を登り、どんどん標高は上がっていく。
車はけっこう飛ばすし、道は細いクネクネ道だし、絶対スタットレスとかじゃないし、中々怖い。
ただ今は5月。冬場はもっと積雪がある地域なはず。
これぐらいの雪ならへっちゃらなんだろうと信じて乗る。
ただ、ちょこちょこ道端にぐちゃぐちゃになった事故車が放置されているのが恐怖。
途中大きな岩に書かれた仏様の壁画の前で止まってくれた。
道中ここだけではなく、至る所に描かれていた。
途中、道を横断するヤクの群れが通り過ぎるのを待つ。ヤク使いの人もこんな人里離れた雪山で凄い。
2時間ぐらいたってトイレ休憩。吹雪で何も見えないが、トイレの裏は大きな湖らしく、展望台のトイレらしい。
雪さえ降っていなければ綺麗な道だったはず。
人のいない公衆トイレだったから写真が撮れた。
ニーハオトイレとか呼ばれているやつ。
仕切りがあって、穴が分かれているだけ他よりマシ。
ここまで見たニーハオトイレは仕切りがもっと低く、穴ではなく左右に繋がる溝だった。
しかもここは寒いぶん匂いもしないし、虫もいない。
これでみんな用をたすときは、なぜか壁側にお尻が基本なので、トイレに入ると全員と目があう。だからニーハオらしい...。
煙草吸いながらの人とか、苦しんでる人とか....。
道中の途中で1回パスポートチェックがあった。
成都を出てからも途中で何回かパスポートチェックがあった。
毎回全員車から降りて、パスポートを出して、顔写真とパスポートの写真を撮られる。
地元の人も全員身分証を出す。
中国公安が全ての出入りの人をチェックしている。
中国国籍の人は全員身分証明のカードを持っている。チベットの人も。
マイナンバーカード的なやつ。
今までも駅やバス、観光地とか各所でみんな出していた。
今までの国はパスポートを出す時なんて出入国の時と宿のチェックインぐらいだったが、中国はとにかく身分証チェックが多い。
ただ成都以降はまた違う。とにかく検問が多い。
外国人だけじゃなく地元民も徹底的にやる。
またこの時の検問で知ったけど、みんなが持っている身分証には民族が登録されていて、検問所でスキャンすると全員表示されていた。
4時間ぐらいでアチュンガルゴンパの入り口に到着。
強風と極寒。
目当てにしていた宿へ。
アチュンガルゴンパに宿は少なく、ここともう1軒ぐらいしかない。
1泊3人部屋で30元、500円。
ただ他のお客さんはいなくて3人部屋を2人で使った。
電気毛布があるのがありがたい。暖房は無い。
お風呂は無い。今夜は入れない。寒すぎるから汗もかいてないけど。
もちろんWi-Fiも無い。コンセントはある。
そしてトイレが川。
木の小屋の下に川が流れているのでそこにする。ただ水量が少なくて全然流れていってないけど。
板と板にまたがってする。
ただ的を外している人がいて、ちょこちょこあれだった。
成都を出るときからこの環境は聞いていた。アチュンガルまで来ればそうだと。
そういう場所だからそりゃそうだろうなと思いつつ、どんな感じか不安ではあった。
ただ実際来てみて、目の前にすると何も思わなかった。ここまで来れている。
というか寒いって良い。衛生面が上がる気がする。
荷物を置いてみんなで昼食へ。
宿の近くにあるご飯屋さんへ。
アチュンガルゴンパにはご飯屋さんも多くはない。
見つけただけでも4軒。宿の近くに2軒。街の入口に2軒。
サービスでポテトを出してくれた。
素揚げしたポテトに辛い粉がかかっている。これが凄い美味しかった。
ヌードルとご飯。15元、250円ぐらい。
味が薄かった。冷えていたので温かくてありがたかった。
アチュンガルゴンパは中国語で書くと亜青寺。
街に住む人は、宿の人やタクシーのドライバー、ご飯屋さんの店員以外は全員僧侶の方。
亜青寺を中心に大勢の僧侶の方が暮らしている。
ご飯屋さんはもちろん、数店ある商店でも、肉や魚は食べられないし、売っていない。卵は売っていた。
昼食の麺も青梗菜しか入っていなかった。
酒も煙草も売っていない。
ご飯を食べて全員で出かける。
雪が降り続けてやまない。
街中、山羊と牛が歩いている。
中心にある亜青寺へ。
もう僧侶の方が集まる時間は終わり、みんな家の方へ帰る時だった。
寺前に集まりお経を唱える時の座布団や毛布が袋にくるまれて置かれていた。
山羊が山程いる。
本堂の中はとても色鮮やかだった。
絨毯が敷き詰められ、暖かい。
隅で、僧侶達が集まって仏法の勉強会や音読会的なことをしていた。
外国人の俺たちが中に入って見ていても、何か言われるわけでもなかった。
女性陣は僧侶の方に呼ばれて、香草をもらっていた。
もちろんお金を求められるわけでもなく。
街中を歩いている時から全員が凄い優しくしてくれる。
お寺の裏の小高い丘に登る。
お寺の裏へ。
チベット仏教特有のマニ車。
回せばお経を読んだことと同じ徳になる。
大勢の僧侶が時計回りにマニ車を熱心に回していく。
1周100個以上あったと思う。
回していいか聞くと、回しておいでと言ってもらえたので1周回させてもらった。
1周10分以上かかる。
多くの人が回している、手持ちのマニ車。
ずっと回し続ける。
マニ車は街中いたるところにある。
車に乗っている時もたくさん見た。
川の水で水力で回しているマニ車も、風の力で回しているマニ車もあった。
外に出てぬかるんでいる土の坂道を歩いていたら盛大に滑ってコケた...。
すれ違う多くの僧侶の方に、背中を指さされて大丈夫?と心配される。
少し歩いて近くの別のマニ車へ。
ここでも一周させてもらう。
ここで一緒だったご夫婦は別の街に移動するということでお別れする。
残った4人で街が一望出来る丘に登る。
さっき寄ったマニ車がある建物。
とても大きい。
吹雪の中登る。
酸素が薄くてゼエゼエ言いながら休み休み登る。
丘の頂上に建つ仏像。
凄い景色だった。
ただ晴れていれば...。
チベット仏教のタルチョ。
5色の祈祷旗。仏法が風に乗って広がるようにと願いが込められている。
風でなびく度にお経を読んだと同じ徳があるという。
凄い寒いのと、凄い酸素が薄い。
再び下に降りると、雪は本降りになっていた。
夕食で昼食と同じご飯屋さんへ。
野菜たくさんの米麺。12元、200円。
美味しかった。
食べていると若い僧侶の子達が話しかけてきた。
観光客が全然いないので珍しいのか、他でもよく声をかけてくれる。
ご飯屋さんも俺たち以外のお客さんは全員僧侶の方。
写真を撮って見せるだけでとても興味津々に見ていた。
けっこうスマホ持っている人も多いので、カメラが珍しいのかなんなのか。
一緒に写真撮ってもらった。
右の子が陽気だった。
というか左の子が着ているローブが暖かすぎるし、マジでカッコいい...。
足下から頭までスッポリ入る。
みんな話しているのはチベット語だから何を言っているのかは完全に分からないけど、色々話しかけてくれる。
俺たちが何に興味があるのか分かってくれているのか、彼らはカバンから仏法の書かれた本を出して見せてくれた。
まったく分からないけど。
蛍光ペンがひかれていたり、たくさんの書き込みがあったり、本も読み込まれてボロボロだった。
最終的に青い方の本をあげるよと、カップルの彼氏さんに渡してた。
もういらないからなのか、なんなのか。
昼に着いてから全員が心から優しい。
彼らのカバンに入っている刺繍。
アチュンガルのマークらしい。
お礼を言ってわかれた。
僧侶だからとか、チベットだからとかじゃなくて、全員が優しい。
雪も本降りでとても寒い。
カッパが欲しい人もいたし、みんなで宿の横の服屋へ。
観光地で見る、民族衣装屋ではなく、完全な住んでいる人のための服屋。
服がみんな色鮮やか。
毛糸の手袋が5元、80円で売っていたので購入。
久しぶりに食べ物とチケット以外の買い物。
手袋しただけなのに、革命的に暖かい....。
その後、夜の丘からの景色も綺麗だというので再び丘へ。
吹雪だし、けっこう雪も積もっていたが行ってみる。
だが案の定、雪で何も見えず...。
仏塔がライトアップされていた。
濡れながら宿に戻る。
みんなで明日以降のことを考える。
どうしても晴れた状態でもう一度街を見てみたかった。
Wi-Fiもないので天気予報も分からない。
起きてみてみんなで考えることにした。
明日も1日雪なら、明後日まで粘るのもよかった。
ベッドがかろうじて電気毛布で暖かいが、部屋は寒い。
お酒を呑まず寝るのは、夜行移動の日以外では初めてだった。
日本にいた時もまずなかった。
寒いし寝られるか不安だったが、速攻寝た。

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