18.5.3 135日目 東チベット ガンゼ
成都から6日間一緒に行動していた方は朝5時に部屋を出てタンゴへ向かった。
出るとき起きるから起こしてとか言ったのに、完全に爆睡いてました...。
一瞬だけ起きて、見送ろうと思った記憶はあるのに再び寝てしまいました...。
本当に薄情なヤツですいませんでした...。
起きると7時過ぎ。
カップルの二人は彼女さんの方が体調が悪いとのことで、早朝康定に戻るつもりだったが先送りしていた。
ただバスでは無く、9時に白タクで康定まで戻るとのことで二人を見送りに白タク乗り場へ。
バスよりは少し高いけど、出発も遅いしバスよりは移動時間は短い。
二人はちゃんとお見送りできた。
彼女さんの方は地元が一緒。また会える気もする。
ただ二人から後から聞いた話しで、二人は康定に着いたら運転手から事前に交渉していた金額より高く請求されたそう...。
言い争いになったあげく、最終的に差額を払ったのは同乗していた僧侶の方だったそう...。
二人は降りた後、僧侶の方に差額を払ったらしいが最初は中々受け取ってもらえなかったらしい。
現地の物価では結構な大金。凄い話しだと思う。
俺は一人でガンゼに残りもう一泊する。
理由はこの先のルートがまだ決まっていなかったから。
成都に戻らなきゃいけない日までもまだ日数があるので一度ガンゼで一泊して考える。
ガンゼは位置的には成都から見れば奥地。
各地へバスがある。成都までにもいくつか街がある。
根本的には理塔(リタン)という街に向かう気でいた。
成都までの途中の街で標高が4000mを超えるらしい。
ここまで標高の高い場所で数日いたし、今のところ高山病の気配は皆無なので問題は無いように思えた。
理塔は寺院もあるし景色の綺麗な街らしい。
月水金曜は鳥葬を行っているらしく、見ることが出来るらしいが、正直そこまで興味が湧かなかった...。
今日理塔に行かなかったのは、バスが早朝でここまで移動続きで面倒くさかったのと、改めてもう一回他の街も考えたかったから。
今日連れの方が行ったタンゴはナショナルジオグラフィックで有名な綺麗な街らしい。
それ以外に、東チベットにはもっとも有名なラルンガルゴンパという、昨日行ったアチュンガルゴンパのような僧侶の街がある。
存在は何年か前にナショナルジオグラフィックの写真集で知った。
山間の谷の地域に、朱色の建物が立ち並ぶ美しい街。
正直チベットと言えば、ポタラ宮とそこぐらいしか知らなかった。
東チベットを調べている時に、ラルンガルもこの地域にあることを知り、行ってみたかった。
ただ今は、完全に外国人立ち入り禁止。許可証も出ない。
理由は中国政府が観光地化するため工事をしているかららしい。見られたくないからなのかなんなのか。
近々整備されて、一般公開されるそうだった。
しかし、行けないこともないらしかった。
実際さっき試しに白タク乗り場で運転手に聞いたら、ラルンガルまで行ってくれるとも言っていた。
ただ、中国公安に見つかれば成都に強制送還らしい。
ラルンガルに入る方法も、検問の場所は運転手達は知っているので、検問の前で車から降ろされ、歩いて検問の裏を突破し、検問を過ぎたら再び車に乗るという方法だった。
そもそも、東チベットも外国人は立ち入り禁止らしい。(アチュンガルゴンパだけかも。)
ただ中国公安も捕まえて成都に送り返すのは面倒臭いらしく、日本人は中国人と顔つきが似ているので、検問で見かけても放っておくらしい。
成都を出る時に、絶対に欧米人と一緒に行動しないようにと言われた。
彼らは明らかな外国人だからダメらしい。
実際欧米人と一緒にいた日本人がアチュンガルゴンパで公安に捕まったこともあるそう。
成都まで強制送還ならまだしも、携帯やカメラのデータ消去もあると。
ただ、どうしても諦めきれない気持ちはあった。
写真集で見た時から行ってみたい場所だった。
今、すぐそばまで来ている。
部屋で2時間ぐらい調べた。
検問を突破して行った人、諦めた人のブログを片っ端から読んだ。
確かに行けないことは無いみたいだった。
アチュンガルゴンパでも昨日凄い感動した。ラルンガルゴンパにも行ってみたかった。
2時間考えたあげく、諦めて理塔に行くことにした。
理由はいくつかあった。
一つは、もしラルンガルゴンパに行けて無事に成都に戻ったとしても、実は公安にはバレていてマークされていた場合、俺を運んだ白タクの運転手や泊めた宿に俺が帰ったあとに取り調べが入る可能性があるらしい。
そうしたら彼らは捕まるし車も取られて営業が出来なくなる。彼らもそのリスクは分かっていて運んだとしても、実際そういうことが過去にあったらしい。
次に、もう中国の開発は進んでいて、俺が写真で見たような景色とはもう違うらしい。
クレーンもバンバン立っていると。
なら開発が終わってから行った方がまだマシだと。
そして俺はこの先、台湾に行き、その後再び中国に入る予定だった。福建省や北京に行きたかった。
ただえさえ台湾に一度抜けると、中国サイドは入国で態度が変わるらしいのに、チベットで公安に捕まったら入国規制がかかる恐れがあった。
それは絶対に嫌だった。
さんざん考えて諦めて、また、理塔に行ったら他の街には寄らずに成都に帰る日程を組む。
その後バスターミナルへ向かい明日の理塔までのチケット買った。
朝9時発で81元、1400円ぐらい。
帰りに昼食。
昨夜も行った定食屋で。
チャーハン。250円ぐらい。
久しぶりに食べるたくあんが美味しかった。
一度宿に戻り外へ。
前回来た時に行ったのとは違う寺院へ向かう。
宿の前の白タク乗り場。
いつ見ても運転手達はふざけあって爆笑してる。
街中にある寺院へ。
小さな寺院で近所の住人らしき人たちが熱心にマニ車を回していた。
ガンゼも宿周りは工事中。
工事が終わった場所は道も歩道も凄い綺麗。
どんどん開発されているみたいだった。
こんな小さな町にも風俗店があることに驚いた。
街外れの寺院へ。
ここも本堂は工事中で中は入れなかった。
ほとんど人もいない。
遠くの山に描かれたチベット語。
こういうのはたくさん見る。
遠くにも小さな町がある。
どこ行っても山が綺麗で、雲が近い。
ただ空気が薄すぎて、石段を数段上るだけで息切れする...。
のんびりした時間だった。
帰って夕食。
同じ場所へ。
牛肉麺とご飯。260円ぐらい。
美味しかった。
今日からは久しぶりに一人で泊る。
部屋は二人部屋。
部屋に戻ると、チベット人男性が相部屋だった。
大きな荷物を持って、どこかの街からどこかの街へ移動するのに途中で一泊みたいな雰囲気だった。
向こうは俺を見て驚いていた。
まさか相部屋が外国人だとは思わなかっただろうし、どうしていいか分からず困ったような顔してた...。
突然申し訳なかった。
明日は早いので、早めに就寝。

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