18.5.5 137日目 東チベット 理塘

理塘観光日。
朝食を食べて出かける。

理塘は鳥葬がやっていて、見ることが出来るらしい。
チベットは鳥葬文化圏。他でもラサやラルンガルでも見れるらしい。
こないだのアチュンガルでも鳥葬台はあったのは見た。
ただ、ラサはチベット自治区、ラルンガルは外国人立ち入り禁止なので、東チベットで見られるのは理塘らしい。(他でもやってるかもしれないけど。)

鳥葬、亡くなった方の遺体を焼いたり埋めたりするのではなく、鳥に食べさせる。
そのぐらいの知識しか無かった。場所がチベットなのは来てから知った。

地盤が固いため、土を掘るのが重労働だからとか、チベット仏教の考えでは魂の無くなった身体はただの入れ物なため、遺体にまったく執着が無いとかの理由らしい。
聞いた話しとネットで見た話しだからどこまでアレなのかは分からないけど。

中国以西の仏教国も遺体は燃やして、灰は捨てるって聞いたことがあった。
埋めるのは、先祖信仰のある中国とそれ以降に仏教が伝わった朝鮮と日本だと。


理塘では月水金曜に街外れの鳥葬が行われる場所でやるらしい。
もちろん誰も亡くならなかったら無い。
たぶん、理塘周辺の小さい街からも遺体が運ばれてきてやるんだと思う。

正直あまり見たくは無かった...。乗り気にはならないというか。
でもまぁ行ったら見に行こうかな、どうしようかなぐらいの感じだった。

ただ何を勘違いしたのか、到着が木曜で、見に行けるのが金曜だと思っていたら、完全に今日は土曜...。
鳥葬は行われない日。

なのでやっている場所だけ見に行ってみようと思った。
それなら何となく気が楽だった。
行けば鳥ぐらいいるのかなぐらいしか考えて無かった。

宿を出たのは8時半。鳥葬も7時ぐらいかららしいので、やっている曜日でももう遅い時間。
まずはバスターミナルへ行き明日早朝発の成都までのバスチケットを買い、歩いて街の西の外れにある鳥葬場所に向かう。



途中大通りにある建物の中に大きなマニ車があったので覗いた。


とても大きいのが4つ。


隅で座って見てたら、隣に座っていたおじいさんに「回しておいで」とジェスチャーされたので回させてもらった。
回して戻ると、親指を立ててグッド的なことを言ってもらった。


市内中心にある広場。


俺に石をくれようとする少年。色々話しかけられた。


途中、街中心部にあるダライ・ラマ7世の生家へ寄る。
現在はお寺になっている。



中心地を離れて西へ。




30分ぐらい歩くと街の西の端へ。
このタルチョの先にあるっぽい。


奥にある丘が鳥葬が行われる場所。



近づくと、車や人。
そして多くの鳥たちが見えた。
土曜だけどやっていた。


お二人のご遺体を鳥葬している最中だった。
何段階かに分けて行うみたいだけど、たぶんその真ん中あたり。
写真には何も写ってないけど、遠くからでもどういう状況かは見てて分かる。

100mぐらい離れた場所で見ていた。
1時間ぐらい見た所で粉雪が降り始める。風も強い。
あまりに寒すぎて、近くで焚き火に当たってる方々がいたので混ざらせてもらう。

おじさん達は煙草をくれたり、色々話しかけてくれたがチベット語で分からなかった。
ただジェスチャーで、お前こんな所で見てないで近く行って見てくれば?写真撮りなよ!!とおじさん達に言ってもらった。
近くで見る勇気も、写真撮る勇気も無いので、お断りして焚き火に当たりながら見させてもらった。

大きな鳥。禿げ鷹なのか。


何段階かに分けて鳥たちに食べさせる。
途中食べやすいように細かくする作業がある。
何百羽の鳥たちが作業が終わり合図が出るのを待つ。
合図が出れば鳥たちは群がる。
全部で5時間ぐらいだった。
最後は骨まで無くなった。

作業をする葬儀人のような方がいる。
あとから知ったけど、ここにある小屋の壁にはチベット語で葬儀募集の看板と彼の電話番号が書いてあるらしい。

近くで見る親族達もお茶を飲みながら眺めていた。草原で寝転んで眺める人も。
見ていても本当に遺体には思い入れが無いように見えた。
悲壮感が無い。

最後ほとんど無くなると、どこから野犬が来て鳥たちを追い払い、少しの残りを食べていた。

1時頃お二人分の全てが終わり、草原には本当に何も無くなった。
終わるとすぐに街に帰る親族と、お茶を飲み談笑する親族がいた。


正直、見たらキツいというか、ネガティブな感じになるかなと思っていた。
ただ実際目の前で見ると、何も思わなかった。
チベットの葬儀を見させてもらっただけというか。
一生覚えているであろう光景と、音と匂いと寒さだとは思うけど。


普通にお腹が空いたので昼食。
一度中心地まで戻る。
宿の近くの定食屋で。


辛い水餃子とご飯。250円ぐらい。
とても美味しかった。
食欲無くなるかなと思っていたが、まったくそういったものでは無かった。


再び街の西の方へ。
歩いて30分ぐらいの白塔公園へ。
公園という名前だけどお寺。



ここも多くのマニ車。


チベットの男性はみんなお洒落。


五体投地をする方がたくさんいらっしゃった。
全員街の人達。



中には巨大なマニ車。
ずっとお経がスピーカーから流れ、みんな揃って唱えながらマニ車を回す。




裏手にも多くのマニ車。


お母さんが回している間、ベンチに繋がれる子供。


次は街の北部へ。
途中にあった小さな寺院へ寄る。


おじいさんおばあさんが熱心にマニ車を回していた。


外にはそうとう古いマニ車があった。
何年ぐらい古い物なんだろう。


30分ぐらい歩いて街の一番北にある一番大きな寺院へ。理塘寺。


大きな寺院。僧侶の方以外には人がいなかった。



右側が本堂。
中には大きな大仏とたくさんの仏塔があった。
めちゃくちゃ大きくてビックリしたが、写真撮影がNGだった。


寺院の裏手の山に登る。
街が一望出来た。

ただ傾斜がキツく、空気も薄いので苦しい。
ゆっくりしか登れない。


最後に寺院近くの別の丘に登った。
中心地から離れるとどこも街並みが綺麗。


丘へ。頂上には大きなタルチョ。


理塘寺も見える。


ただ登ると、街の西側には雨雲が見えて雨が降っていた。
南側は砂嵐....。



すぐに丘も立っていられないぐらいの強風になった。
雨も怖いので宿に戻る。


部屋に戻ると、停電していた...。
停電していると何も出来ない。
1時間待っても復旧しないので、下の宿主が住む部屋に行って、復旧するか聞くとあと1時間で復旧するらしい。


すると宿主家族は、ひとまず座って食べなよと揚げパンとお湯を出してくれた。
少し固い揚げパン。美味しい。


1つ食べると、すぐに次をくれる。
もうお腹いっぱいだよと言っても、いいからと次をくれる。

結局7つぐらいいただいた。
お腹いっぱいだし、さすがにお腹いっぱいの揚げパンはキツかった。
超ありがたいけど。


この宿主家族には小さな子供がいて、宿の前で朝から晩まで近所の子達と遊んでいる。
宿から出かける時も、帰った時も群がってきて、ハローハローと言われる。

その子が揚げパン食べている時にずっとミニカーで遊んでいたので、揚げパンのお礼でもないけど、持っていた紙で紙飛行機作ってあげたら超喜んでくれた。

近所の子達も来てみんなで遊んでくれてたので、調子に乗って5つぐらい作って、1時間ぐらい遊んでたら、宿のお母さんに「あんたそんなに作ったら壁中のポスター飛行機にしかねないから止めて!!子供達もいつまで遊んでるの!!」的な感じで怒られた...。
たしかに...。すいませんでしたと謝る....。



揚げパンでお腹もいっぱいだったので夕食には行かずそのまま就寝。
チベット最終日は長い1日だった。



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